令和6年5月27日、法人の研修を開催。
第一部が新人職員研修、第二部が全体職員研修と、盛りだくさんの一日でした。
新人研修では、空香(法人の就労支援部門)やグループホーム(法人の生活支援部門)での取り組み、障がい者虐待などについて学び、
全体職員研修では、法人の理念を確認しながらこれまでの歩みを振り返り、今後の行く道を皆で共有しました。
<新人職員研修>
今回対象となる新人は、パン職人や利用者さんから社員登用(障がい者雇用)された職員など、様々な経験をして入社に至った面々です。
福祉職だけではなく、その道のプロが社員として加わったり、障がい者雇用をスタートさせたことは、株式会社ジューヴル初の画期的な出来事であり、本当に喜ばしいことです。
研修では、「法人が大切にしていること」「空香で取り組んでいる利用者の経済的な自立に向けた取り組みについて」「利用者との関りのこと」「障がい者虐待のこと」などを伝えました。
担当管理職から網羅的に話してしまいましたが、ちゃんとついてきてくれたか心配です(いえいえ、彼らにそんな心配は無用です)。
受講した職員から感想を聞くと、共に同じ方向を向いて事業を推進してくれる意気込みを感じ、頼もしく感じました。
新人職員の4人と一緒に、法人の理念である「障がいや難病など、様々な困難を抱える人が、自分らしく挑戦する生き方ができる環境を創っていく」に向かって、インクルーシブな職場を目指して努力していきたいと思います。
<全体職員研修>
池添代表から前期の振り返り、今期の目標や新しい事業計画についての話があったあと、障がい者虐待について、ロールプレイとグループワークを行いました。
ロールプレイでは、どんな障がい者虐待が想定されるか、虐待防止委員会で意見を出し合い、台本を作成。
「生活の場面」と「就労の場面」の2パターンの台本を用意し、それぞれの担当の業務の中での「虐待の芽」について気づいてもらえたらと考えました。
「いくらなんでも、こんなひどい対応する支援員はいないよ~」というような悪い世話人を登場させ、劇団ジューヴルで演じます。
極端な設定に笑いが起きるかと思っていましたが、みんな真剣に見入っていました。
支援員も人間ですから、自分が忙しい時や体調が悪い時など、ふと油断したときに、虐待につながるような振る舞いに近づいてしまうことに気づかされます。
グループワーク
ロールプレイの後は、少人数のグループに分かれ、グループワーク。今回の研修を通して、普段の利用者さんとの関わりを振り返りました。
【参加者の感想】
・具体的なやり取りのロールプレイを見て、ついやってしまいそうな事や勢いで言ってしまう事など、こちらに悪気がなくても相手にとっては負担になってしまうとわかりました。
・利用者さんが困っていたら、相談にのって、前向きな言葉をかけたいと思います。
・今回の研修を受け、虐待は暴力のことだけを指すものではないということが分かった。無視をしたり、ご飯を無理に食べさせたりすることなどの行為も、虐待になる場合があるということを学んだ。これから利用者さんと接するときは、今回の研修で学んだことを、忘れずに接していこうと思った。
・「ストレングスの視点」というのはとても良い視点だと思いました。福祉の仕事というのは、ストレス度の高い仕事なので、自分に余裕がないと、相手の悪いところしか見えなくなってしまう。視点を変えることで、自分にも相手にもメリットが生まれるというのは、頭の固くなっている自分の頭を少し柔らかくしてくれました。
・虐待防止研修では、長く働けば働くほど、初心を忘れてしまうので、新人の時の対応を思い出しながら、気を引き締めて仕事をしていきたいと思いました。
・今回、利用者だった方を職員に迎えられて、障がいを持ちながら働くことの大変さなどを色々と知ることができて、良い機会でした。ストレングスの視点の話では、障がいのある・なしにかかわらず、ポジティブに捉えていくことが大切だなと思いました
・グループワークでは、参加者一人ひとりの考え方が様々であり、色々な角度からの意見が出され、とても良い刺激を受けました。職員も利用者も平等であり、同じ目線で接し、互いに尊重し合って助け合いながら進んでいければ良いと思いました
・「良かれと思って」が、本当に利用者に良い結果となるのか?同じ職場で働く職員とも話し合いながら、自分都合優先になってしまわないように気を付けていきたいと思います・
キャリアも経験もみんな違い、福祉の「ふ」の字にも触れてこなかった職員でも、この仕事で大切なポイントを何かしらつかんでくれた様子です。
<おわりに>
今回の内容は、管理職が考えて、提供しました。
考えた一人として、あれもこれも大事だから皆に伝えなきゃと思って、結局は中途半端になってしまったように思います・・・(我々の至らなさを、参加者の皆さんの理解力がカバーしてくれたはず)。研修が終わった後はいつも、研修開催の難しさ、自分の準備不足に打ちのめされますが、自分が普段やっていることの振り返りになるので、とても有意義な時間でした。
グループワークでは、話を深めれば深めるほど、混迷を極め、利用者さん一人ひとりに合わせた支援の難しさを感じました。でも、一人では気付けないことも、他の職員との協力や助言で気付けることもあります。職員同士で支え合いながら、進んでいくことが大事だと思いましました。
気持ちも新たに、職員と利用者さんと一緒に、株式会社ジューヴルの明日に向かって一直線に進んでいきたいと思います。
(報告:生活支援課施設長 京増)