障がい者就労の工賃向上の実績と実際

時々思う脂っこいコト
カスタードクッカー

200万円の助成金をいただきました。

7月8日(水)ヤマト福祉財団様より、福祉助成金「ステップアップ助成金」200万円を頂戴いたしました。昨年11月に申請、3月に決定通知をいただき、コロナ渦の中でしたので大変うれしかったです。

障がい者の工賃向上のための助成金です

本助成金は毎年公募されていますが、工賃向上の実績が基準以上にあること、助成金による事業内容が障がい者の工賃向上のために役に立つ内容であることなどが評価され、決定されます。
今回は、全国160以上の団体からの応募があり、4倍の倍率の中から当社の計画を採択していただきました。北海道では2団体のみの決定となります。

7月8日、ヤマト福祉財団様、ヤマト運輸千歳主管支店の皆様、岩見沢支店長様にご来社いただき、贈呈式が当社にて行われました。
当事業所利用者が代表者が贈呈書を受け取り、新型コロナウィルス感染防止のために短縮しての式典を執り行わせていただきました。(北海道新聞様、プレス空知様当日の取材誠にありがとうございました)

こちらの助成金で「カスタードクッカー」の設備導入資金として使わせていただきました。

本機械導入で、4倍の生産量が可能になり、また、sorakaオリジナルのグルテンフリーカスタードの製造が安定して量産が可能となります。

障がい者就労支援事業所の工賃の実際とパティスリー空香の実績

平成30年度統計で発表されている就労継続支援B型の平均工賃は下記の金額です。

全国  16,118円/月
北海道 18,966円/月

パティスリー空香(R1)25,522円/月 (障害年金と足してもこの金額じゃ自活はできませんね。まだまだ向上あるのみ)

パティスリー空香の3年分の平均工賃と、その最大値最小値を現したグラフです。

平均工賃金額については右肩上がりで推移しており、最大値についても同様の推移をしていますが、最小値については下降もしくは大きな変動がありませんでした。

労働時間についても、右肩上がりになっていますが、最大値と最小値については平均工賃と同じような推移をしています。

空香では、時給制で支払っており勤続年数によって時給が上がる仕組みを作っています。3年間、契約が継続している方がほとんどのため平均工賃が上がっていくのは計算通りではあり、3年間でひときわ力をつけた方が働く時間が長くなり月額工賃が高くなるという特徴が一つあります。

もう一つは、全体の平均が上がっても、働く時間が短く時給が上がって行きにくい利用者さんが一定程度いるという事もこのことからわかると思います。その方のニーズによっては、稼ぐことや長時間働く事よりも、生活リズムの安定や病状の安定のために利用している方もいます。(工賃向上が国の方針ではありますがこのようなニーズの方も受け入れていくのが就労継続支援B型の存在意義でもあります)
全利用者の分布図も参考にしてください。

どうやって工賃を決める?お金の流れは?

福祉業界にいても、就労系サービスを経験していなければ知る機会もない、よくわからない制度の世界なのではないでしょうか。

ざっくりと説明すると、空香の場合、

①エクレアなどの生産物売上、農作業受託でいただいた役務費から、経費を引いた額=利用者工賃

②障がい者を支援するお金(訓練等給付費)=支援員給料+事業所の維持費(家賃、水光熱、税金など)

なので、エクレアをたくさん売れば売るほど、障がい者の経済的自立が促進される、という仕組みになっています。逆に、売り上げが下がると、利用者工賃を下げざるを得なくなります。
以前は、②のお金で工賃を補填することが可能でしたが、現在は原則できなくなりました。なので、特に時給制で支払っている空香では大体固定した金額が工賃として支払われていくため、今回のようにコロナ不景気や売上の変動が激しい事態になると頭をひねらなければいけません。(ひねってます)

時給制にするのかどうかは各事業所の裁量に任されていますが、当社がそうしているのは、売り上げによって毎月もらう工賃が変動してしまうと彼らにも生活がありますので、いくら出るかわからないような収入では希望をもって生活できないと考えたからです。(そもそも、労働法規に守られない働き方は人権問題であると、国際的には言われています。)

そして、逆に、①の売上が大きく伸びたとしても②へ移動させることは禁止となっています。

②については、定員数、平均工賃実績、職員配置によって基本単価が階段状に設定されており、定員が少ないほど、平均工賃実績が高いほど、職員配置が手厚いほど、高い報酬単価となっています。その報酬単価に、ひと月の利用者数を掛けて算出していきます。

事業所運営として、平均工賃を上げていくこと、また、一人でも多くの障がい者が「利用したい」と思える事業所にしていくことが、②の収入を上げていくことになります。

原点は「福祉マインド」

単純と言えば単純な仕組みではあり、数年前には就労支援ブームともいえる時期がありました。異業種法人も障害福祉サービスに参入し、様々に事業展開してきています。

工賃を払うための収入をどう確保するかについて経営センスやアイデアを持つ異業種の方たちの事業展開は大変参考になります。

ただ、障がい者は生身の人間であり、人権で守られ、健常者がコントロールする対象ではありません。制度を悪用し、障がい者の顔が¥¥に見えてしまい、経済的弱者をさらに不幸にする事業者がいるのも社会問題になっています。(就労継続支援A型の大量解雇問題とか)

基本的には、一人一人のニーズを把握し、支援計画を策定し、その計画に基づいて支援提供をする。保護し、囲い込むのではなく、その人の目標や幸せを一番に考えて支援する「福祉マインド」が不可欠な事業です。

経営力×福祉マインド の両方をバランスよく持ち合わせて、事業者は運営してきたいものです。

ヤマト福祉財団様の助成金の趣旨では、この「経営力と福祉マインド」を大変重視されており、現場の我々もとても励みになる助成金です。誠にありがとうございました。
また来年もヤマト福祉財団様の助成金に応募できるように、実績向上と、生産性向上のためのアイデアをキャッチしていきたいと思います!